【叶家のうわさ】叶家の由来って・・・?
2025.06.24
昔、叶家の創業者・ツネ子さんが岐阜で暮らしていた頃のこと。
家族の不幸や仕事の重なりで、心が折れそうな日々を送っていました。
そんなある日、近くの加納(かのう)天満宮に毎晩足を運び、深夜2時40分──ちょうど丑の刻──に、ひとり般若心経を唱えるようになります。
「神さまにすがるしかなかった」と、後にツネ子さんは語っています。
ある夜、不運にも交通事故に遭い、6日間意識を失った彼女が夢の中で見たのは、ぼんやり光る一つの時計。
時刻は、午前2時40分。目が覚めたとき、あの時間だけが、強く心に残っていたといいます。
事故から回復したツネ子さんは、長年の感謝と供養のために高野山を訪れます。
仏舎利塔を建立し、亡き夫や縁ある人々に手を合わせたそのとき、ある御前様(お坊さん)からこう告げられました。
「新しい宿をやるなら、“かのうや”しかないでしょう」
まるで導かれるように、「叶家」という名が生まれ、その後すぐに“偶然とは思えないご縁”で今の土地にも出会います。
それからというもの、宿の中には「午前2時40分にふと目が覚める」「夢で誰かと出会った気がする」…そんな小さな“うわさ”が、静かに流れているのです。